サイオンという男の記憶は、もうどこにも残っていない。今や憎しみそのものであり、挑みかかる者への呪詛となった。忌まわしき運命に縛られたまま数百年の時が過ぎたが、それでも彼は生き続けている。肉体は朽ちることを望んでいても、鎧に宿る闇の魔法がそれを許さないのだ。